医療向け製品

光学技術と高精度加工で、医療の未来を支える


ナルックスは、光学部品の専門メーカーとして、産業機器、車載、通信分野等で長年にわたり培ってきた高い光学設計・加工技術と量産ノウハウを、医療分野に展開しています。光学設計・製品設計から量産までを一貫対応できる体制により、内視鏡・診断機器・バイオ分析装置・研究機器など、医療分野の多様なニーズに応えます。光学部品はもちろん、微細部品や精度、特殊な機能(耐熱、耐薬品性など)を求められる部品にも対応します。

特に、以下のような価値を提供します

  • 各種素材(プラスチック/ガラス/その他)の選択による性能・コストの最適化
  • 光学部品だけでなく、高精度・小型部品や耐熱、薬品耐性の高い樹脂・ガラス成形にも対応
  • 医療用途に必要な高品質・環境対応(クリーン生産体制、トレーサビリティ)、長期間の安定供給体制
  • 試作から量産までを支える柔軟な生産体制

医療向け製品例

使い捨て内視鏡向け樹脂レンズユニット

非球面樹脂レンズを採用した小型、高品質なレンズユニットです。従来のガラスレンズに比べ樹脂レンズは量産性に優れ、単回使用にも対応致します。細径内視鏡の他、治療部の観察を目的として治療器に埋め込んだり、ウェアラブルデバイス等への組み込みにも最適です。


用途例
  • ディスポーザブル内視鏡
  • 治療中の状態観察用途として、治療器への組み込み
  • ウェアラブルデバイスに組み込んで画像記録や画像認識
  • 小径パイプ内面の外観確認、品質管理(医療機器の洗浄確認や品質管理)


仕様例
材質 樹脂
レンズ径 φ1.3 mm
ユニット外形 φ1.3 mm × 1.37 mm
画角(対角) 120°
Fナンバー 6
焦点距離 0.570 mm
物体距離 3-200 mm
MTF@140Lp/mm
イメージサークル
中心 > 40%
周辺(像高70%) > 35%
φ1.0 mm
動作温度 +12℃ ~ +40℃
φ1.3㎜レンズユニット



撮影例
使用撮像素子:Omnivision社製CMOSセンサ OV6946

マイクロ流路

マイクロ流路とは、幅や深さが数十ミクロンから数百ミクロン程度の微細な溝や通路のことで、主にマイクロ流体デバイスやバイオチップ、ラボオンチップなどに用いられます。これらの流路を通じて、微量な液体やガスを制御・操作することが可能となり、医療診断、化学分析、細胞操作など、さまざまな分野で活用されています。


高精度加工によるメリット

マイクロ流路の性能は、その形状や寸法の精度によって大きく左右されます。高精度加工技術を用いることで、以下のようなメリットが得られます:

・流路の幅や深さを高い精度で再現することで、流体の速度や流量を精密に制御
・製品のばらつきを抑え、信頼性を向上
・高精度加工により、屈曲・分岐・混合など複雑な流路設計も可能となり、多機能化を実現
・流体の流れが最適化されることで、化学反応や生体分子の検出感度が向上

このように、高精度なマイクロ流路加工は、デバイスの高性能化・高信頼化に直結し、先端技術の発展を支える重要な要素となっています。

当社はこれまで、光学部品の製造を通じてサブミクロン精度の加工技術を培ってきました。光学部品は一般的な樹脂成形品よりも厳しい精度や異物管理が求められるため、高精度な寸法管理と徹底した品質基準を確立しております。

このサブミクロンレベルの高精度技術を活かし、精度や機能性が求められる樹脂成形部品にも対応可能です。多様なニーズに応える高付加価値な製品をお届けいたします。

超撥水/超親水加工

ハスの葉の表面は微細な凹凸構造になっており、葉の表面は濡れることなく、水滴となって、埃などの汚れを取り込みながら転げ落ちる自浄作用があります。ナルックスはこの作用を応用し、表面微細加工技術で、プラスチック等の材料に超親水・撥水効果を付与します


アプリケーション提案
  • ピペット先端の液切れ向上による作業性改善
  • 薬液使用スループット改善(薬液の効率的利用)
  • 液体の付着する部品の汚れ付着防止
適用事例:Si基板の超撥水加工

一般に接触角150°以上を”超撥水状態”と呼称しますが、当社では超微細加工技術を応用する事により160°を超える接触角を実現しました。

未処理のSi基板
撥水コートのみ
微細構造体&撥水コート

SCOI(分光特性最適化イメージング)

物体の色は、照明の分光分布、物体の分光反射率、等色関数の積で決まります。目視による観察では、等色関数は人間の目の分光感度特性で決まり、物体の分光反射率は物質固有のものであるため、制御することはできません。色のついたメガネで等色関数を制御する事も出来ますが、メガネの着脱、曇りなど煩わしさが発生します。SCOIは、3つの要素のうち、照明の分光分布を制御することで、物体色を操作することを可能にします。SCOIではさらに、照明の分光分布を最適化することで、白色を維持しながら、物体の色の見え方を変化させることもできます。白色を維持することで、長時間使用での負担を軽減します。

医療用途では、染色した特定の色の組織を際立たせる、血液の色を押させて、組織の凹凸のコントラストを上げるなど、術者や患者の負担軽減を目的に、SOCIの開発を進めています。

適応例:眼底手術への導入(開発中)